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医者や患者だけが悪いということではありません。
その時代その時代で病気に対する向き合い方が違ってきましたし、医療の限界や新しい事実もどんどん発見されているのですから、そろそろこれまでの考え方から脱却しなければならないということです。
それは多分、医学や医療の問題だけではありません。
構造改革、制度改革といったことが叫ばれていますが、時代の風潮は、あらゆる分野での変化を求めています。
どの分野でも似たような試みが出ていますから、新しい姿や形を生み出そうとして、今、さまざまな試行錯誤をしているのではないでしょうか。
だからといって、医学の面でいえば、西洋医学を完全に否定するわけではありません。
これまでの流れをまったく変えて、別の流れをつくるということではなく、今の医学の得意な分野と不得意な分野をしっかり自覚しなければならないということです。
たとえば、西洋医学は感染症の他に、応急処置に対してはすぐれている面を多くもっています。
診断学も西洋医学が得意とする分野です。
ところが、慢性疾患はほとんど原因不明のまま、その場しのぎの対症療法、つまり薬信仰療法をやっています。
対症療法も一時的なら害はこうむらないかもしれませんが、一年、場合によっては一生続けるとなったら、患者のほうが破綻をきたしてしまうだけです。
西洋医学の短所と長所を見分りながら、現在はびこり、今後も増えていくと予測される病気は、これまでの考え方では治せないということをしっかり認識すべきです。
そうすれば、医者の役割も変わり、何をしなければならないかが、はっきりしてくるような気がします。
体の不調と自律神経の深いかかわり病気には大きくわけて二種類ありますが、急性疾患と慢性疾患という名称で呼ぶと、わかりやすいかもしれません。
感染症や交通事故といった急性の病気では、一気に身体を目されることもありまずから、とりあえず、生命を確保するためにいろいろやることがあります。
西洋医学はこうした処置を得意としていますから、その分野ではもっと磨きをかけていいと思います。
一方、生き方の偏りによって引き起こされる病気、つまり、慢性疾患はこれまでの方法では治すことは不可能です。
生き方に問題があるからです。
しかし、「生き方を変えろ」「無理をするな」といっても、その根拠を述べないとその気になってもらえませんから、私は、人間の行動によって簡単にわかる自律神経の働きによって説明することにしました。
「無理をしない」ということは自律神経の状態によってわかります。
あるいは、苦悩が重なると、どのような体調になるかも自律神経の働きから理解することができます。
これまでは、高血圧や糖尿病といった生活習慣病というと、たばこや酒、食べすぎや飲みすぎが問題になりましたが、あまりにも漠然としています。
なぜいけないのかがはっきりしていないからです。
しかし、自律神経から説明するとよくわかります。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
無理をするということは血圧を上げる交感神経が緊張する状態で、のんびりしすぎてやる気が起こらないのは、リラックス状態を司っている副交感神経が優位な状態です。
つまり、体の状態によって自律神経は揺さぶられますが、心の問題によっても揺さぶられまずから、自律神経によって、心と体の状態を両方から説明することになります。
今までの医学では、心と体の病を完全に分離していましたが、じつは密接不可分の関係にあります。
たとえば、不安になったり、焦ったりすると心臓が、ドキドキしますが、こうした状態は肉体的に無理をしたときの体の状態と同じです。
自律神経からみ心からくる辛きも体からくる辛さも同じような体調になって病気に至るということです。
心が病んでいる人は体も病み、体を病んでいる人は心も病んでいるという言い方もできるでしょう。
戦前は病気を感染症とそれ以外の病気というように分けてはいました。
しかし、第二次世界大戦後の科学万能主義によって、すべての病気は薬や医療機器の力で病気は治せるという思い上がりが強くなっていきました。
今でも、せっかく生活習慣病という名称が使われ、有名な先生方が新聞などでアドバイスしますが、結局は薬物を薦めています。
それでは病気は治りません。
たとえば、高血圧の人には血圧を下げる薬を出していますが、なぜ血圧が上がるのかということまで考えていません。
ところが、自律神経から説明すると、血圧が高いのは、無理をしたり、心配ごとを抱えたりして、奥奮状態にあるからだとはっきり言うことができます。
今、極端な競争社会になっています。
経済発展が逆に心に歪みを起こしている状態です。
縄文時代のように穏やかに生きるという遺伝子を受け継いだ人は、ギスギスして生きにくくなり、過剰なストレスを受けています。
逆に、縄文時代には出しゃばりで、みんなに嫌がられたような人が、このごろは活躍しています。
社会の歪みの犠牲になっている人も数多くいます。
本来は、自然な環境のなかで心を癒さなければならない人が精神科に行って、そこで薬物療法をやるという流れになっているのも不自然です。
薬というのは、本質的には毒ですから、長い期間飲み続けたり、大量に飲んだりすると体がまいってしまいます。
交感神経の緊張は、肉体的に鉱山理をすることと精神的に苦労することのほかに、薬を飲んでも起こり、脈が速くなり血圧が上がってきます。
薬によって怯えたり、いたたまれないような精神状態になったりすることもあります。
薬物で、本来生忌方に問題がある病気や心の病気に切り込んでいくのは、やめないといけません。
対症療法が治る機会を奪うことも対症療法というのは、熱が出たときや痛みを感じたとき、下痢をしたときなどに辛くなりますから、それを止めにかかることです。
しかし、こうした症状というのは、じつは、病気が治る兆しなのです。
体のなかに毒が入ればお腹も痛くなるし下痢もします。
しかし、こうした症状は毒を出すための自然な反応ですから、それを止めようとするのは危険です。
物質的な毒は吐いたり下痢をして外部に排出しますが、精神的な辛きも下痢をしたり吐いたりして外に出そうとします。
精神的に辛くなると吐き気や下痢をもよおすこと関係があるのでしょう。
たしかに、辛い状況から早く脱出するため、薬物などで止めようとします。
しかし、そのことによって治る機会を失うことになります。
ほとんどの辛い症状は病気が治るためのステップとして考えないと、対症療法の危険性が出てきます。
たとえば、火傷をしてプロスタグランジンという組織ホルモンが大量に分泌されて皮膚がすごく腫れ上がると、熱も出てとても辛い状態になります。
色白の人は太陽の光を大量に浴びても腫れ上がります。
この赤く腫れ上がり、熱をもっというのは、生体反応のひとつです。
発熱するのも内因性のもので、簡単にいうと、血流を増やして組織を修復するためです。
現代医学はそれを薬物で止めにかかります。
痛みを取り除こうとする場合、もっとも手っ取り早い方法として、患部に痛め止めを塗ったり張ったりします。
湿布薬には消炎鎮痛剤が使われています。
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